積み重ねる。

 漁港の風景が好きです。

 大小さまざまな漁船の停泊している港の護岸に、漁に使う道具が、無造作だったり、きちんとだったりと置かれていて、いつまで見ていても飽きないなあと思います。

 前回の旅で行った漁港には、積み重ねられた木箱があります。行って通りかかるたびに、なんだかその無造作ときれいさとの間の積み重ねられた美しさに心奪われます。

 「積み重ねる」。このことの大切さを、最近痛感しています。いろいろな本を読んでいると、とにかく長く続けることの大切さを皆さんが語っています。職人さんは長く仕事していると手が勝手に動き無心に近い状態で仕事ができるようになり、その状態になると自然と素晴らしいものが生み出せるようになる、とのことです。

 あるいは芸術やデザイン、文筆の世界で語られることとしては、下手だったとしても続けていれば他の人がいなくなって続けた人だけが残るようになる、というのです。文筆家でいっとき文章を書かなかった人は、言いたいことの十分の一だって書けていない、と言っていました。

 ちなみに10年続けるというのが1つの目安のようです。それって本当に大変なことです。たった一週間だって、気分むらがある私にとってはなかなか難しい。けれども、それを続けなければ何かを掴むことができないし、コンスタントにやらないと満足のいく仕事はできない。

 そんなことを念頭に、とりあえず1週間以上、文章を書いてみました。ただ考えていることが浅いのですぐに書く内容がなくなりそうなのが恐ろしい。インプットも、知識も、教養も足りなすぎるから、文章を書くに値しない人間だといつも焦ってしまいます。

 そこでまたよく言われているのは、インプットだけをしている人に良い書き手はいないということ。河合隼雄だったか誰かも、考えることと行動することの両方ができる人でなくては、というようなことを書いていました。

 ということは、すべきことは限られています。日々、いろいろなものを吸収し、コンスタントに文章にして行く。

 あぁ、なんて単純な結論。これを10年きっちりと続けられたなら、なにかその先が見えるようになるのかな。10年後、40代半ばの自分って、なんだか想像がつきませんが。健康にも気を使わなきゃいけないんだろうな。

 とりあえず日々、「積み重ねる」ということで。 

テヒマニ

暮らしにまつわる小さな雑誌「テヒマニ」ブログ。福岡県うきは市を中心に、個人的に配布している小さなフリーペーパーの、配布情報や日々の雑感にまつわるブログです。

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