山口ショートトリップ03〜本屋から宿へ

山の中の本屋さんへ

 温泉と温泉街を心ゆくまで味わったあとは、人から教えてもらった本屋さんへ。

 俵山温泉も湖を越え、山に囲まれたところにあったのですが、目的のお店「ロバの本屋」さんはそれよりも山奥の、地図はあっているのだろうか、この道を抜けて行ったら一体どこに行きつくんだろうかというようなところにありました。

 もともと農家だったのだろう建物から、ぴょこんと煙突が突き出て、そこから白く細い煙が上がっています。煙の上がるようすは人の営みの象徴のような気がしてとても好きです。遅めの昼食として食べたものも文具も本も、そして棚や机などこぢんまりとした店内のすべてが素敵な空間でした。

 買ったのは、おすすめの写真集108冊についての「写真集」、アンティークのお店を営む方の写真とエッセイ「アンティークス タミゼ・スクラップブック」、そしてまだ一度も読んだことのないつげ義春の「貧困旅行記」と「つげ義春の温泉」、表紙も綴じ方も素敵な「水草」という小さな冊子、ちょっと恥ずかしいので秘密の2冊の計7冊を購入。

 とても優しげな女性の店主さんにおすすめの道をお聞きし、まだまだ後ろ髪をひかれるものがたくさんありましたが、一路山口へ向かいます。


長門湯本温泉を通りすぎ

 途中、一度寄ったことのある湯本温泉を通りかかりました。ここの公衆浴場の「恩湯(おんとう)」は昔ながらのたたずまいがとても味わいのある良い温泉だったのですが、今は建て替えで休館中とのこと。

 ここの常連のおばあちゃんたちもフレンドリーな人たちで、俵山温泉に寄ってきたという話をしたら「俵山温泉よりもこっちの方が良いお湯だよ」とちょっと怒られたのもまた良い思い出です。

 ちょこちょこと温泉に入るようになり、行った先の常連のおばあちゃんたちと話すと、どこに行ってもみなさん、

「ここが一番良い温泉だ」

と誇らしそうに言います。私はその言葉を聞くととても嬉しくなるので、俵山温泉の「町の湯」や湯本温泉の「恩湯」のような地元密着の公衆浴場的な温泉に入るのかもしれません。 


冷たい布団の幸せ

 秋吉台に近い快適な山のルートを走り、午後5時ごろ今回の宿である「紅花舎」に到着。温泉とドライブの疲れで午後7時の夕食までのあいだ、一人お布団に転がります。

 畳の部屋、お布団、冷たい室内、ちょっとひんやりとしたお布団が体温でだんだんとあったまっていく感じ。その中で熟睡はするほどではない、夢うつつの贅沢さと甘美さ。 人生で最も幸せな瞬間の一つに思えてしまいます。


 紅花舎では夕食をはじめとても良い時間を過ごさせていただいたのですが、いつかテヒマニの紙面上で詳しくとりあげさせていただきなと思います。


テヒマニ

暮らしにまつわる小さな雑誌「テヒマニ」ブログ。福岡県うきは市を中心に、個人的に配布している小さなフリーペーパーの、配布情報や日々の雑感にまつわるブログです。

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