とにかく、家のご飯が好きです。
母がわりと料理が上手なこと、食べ慣れていること、自分で料理を作るのも嫌いではないこと、などさまざまな理由はあると思います。
ごくまれに外食に行くと、なんかちょっと違うんだよなあと思うことの方が圧倒的に多かったり、美味しいと思ってもなんだかすぐにお腹が空いてしまったりと、基本的に外食は好きではありません。もちろん、あそこのあれが食べたいなあと思う好きなお店もいくつかはありますが。
でも、家のご飯が美味しいから外食が好きじゃないって、よくよく考えてみれば、とてもぜいたくなことなのかもしれませんね。
自分で作る料理についていえば、不思議と母から料理を習ったことはなく、もっぱら家にある料理本と冷蔵庫や野菜箱にある材料を見くらべて、できそうかつ食べてみたいものを作ってみるというスタイルです。
料理本に頼りっぱなしということでもわかるように私のレパートリーは極端にすくないので、これからだんだんと増やしていきたいなあとここ数年思っています。
我が家にある料理本のなかでいくつも好きなものがありますが、そのコンセプトが素晴らしいなと思うのは土井善晴さんの「名もないおかずの手帖」です。
名もないおかず。この本を書店ではじめて見た時に、ほんとその通りだ!と雷に打たれたような衝撃を受けました。
家で食べる料理ってとくに名前をつけようもない料理が多いと思うのです。冷蔵庫にあるお肉と野菜を炒めただけあるいは煮ただけという、なんちゃないけれど美味しくて欠かせない一品。きちんとした料理本で見かけるようなきちんとしたレシピ名があるわけじゃない料理。あれ作ってよとお願いするほどではないけれど、出てくれば美味しく食べるもの。
レシピ本に頼るのではなくて、そうやってちゃっちゃと作れるようになることが、毎日料理を作るということなのでしょう。
もちろん、この本に載っているのは我が家の名もないおかずとは比較のしようもないほど、美味しそうなものばかり。とくに好きなのは「なすの油みそ」です。なす・大葉・味噌・砂糖を炒めたものですが、大葉が効いていて絶妙すぎる組み合わせです。これだけでもご飯が何杯も食べられそうな美味しさです。
そこにアレンジとして豚肉や鶏肉を入れれば、じゅうぶんに主菜になります。ちなみに私はここにお醤油をすこし入れる方が美味しさが際立つような気がして好きです。
父が火の通ったなすが嫌いにも関わらず、昨年は何度食卓にのぼったことか。なすって煮浸しにしても焼きなすにしても、ほんとに美味しい野菜ですよね。
ああ、これからのなすの季節がとっても楽しみです!
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